OpenMaxユースケースガイド
定義
承認されたソース範囲
必須
該当箇所の引用
整合
利用者と文書のアクセス権
明示
情報の鮮度と不確実性
要約
- 課題: 知識が複数のシステムに分散し、重複や情報の陳腐化、アクセス権の違いがあると、従業員は最新の正しい回答を安定して見つけられません。
- 対応: RAGワークフローでは、まず関連する承認済み文書の箇所を検索し、その根拠をもとに引用と確度の表示を添えた回答を作成します。
- 管理: 正本は既存のナレッジシステムに残します。エージェントは回答と知識の不足点の特定を担い、解決できない質問は情報源の担当者に引き継ぎます。
AIナレッジベースエージェントとは
AIナレッジベースエージェントは、検索と生成AIを組み合わせ、承認済みの社内情報を根拠に回答を作成する仕組みです。実運用では、情報源の管理責任、文書ごとのアクセス権、版や更新日時、引用、レビュー手順、回答できない質問の引き継ぎ先を明確にしておく必要があります。
ナレッジベースエージェントが役立つ場合
| 利用場面 | エージェントが担うこと | 人または既存システムが担うこと |
|---|---|---|
| 社内規程に関する質問 | 現在有効な承認済み規程を検索し、該当箇所を引用して回答する。 | 規程の管理、例外の解釈、最終承認。 |
| サポート業務のナレッジ | ユーザーのアクセス権の範囲内で、手順書、製品資料、解決済み事例をもとに回答案を作成する。 | アカウント操作、規程上の例外、顧客に影響する機密性の高い判断。 |
| 入社手続き・業務運用 | 業務手順に関する質問に答え、必要なフォームへのリンクを示し、案内の不足や矛盾を特定する。 | アクセス権の付与、人事判断、原文書の保守。 |
ガバナンスを組み込んだ4段階のRAGワークフロー
1
情報源を承認し、棚卸しする
情報源の管理者、対象者、権限モデル、バージョン、レビュー日、有効期限、除外対象を記録します。
2
権限メタデータとともにインデックス化する
取り込み時に、文書ID、該当箇所、アクセスグループ、更新日時、削除状態を保持します。
3
検索し、引用を添えて回答する
依頼者が閲覧を許可されている内容だけを検索し、根拠となる箇所を示します。根拠が不十分または矛盾する場合は、その旨を明記します。
4
知識の不足を確認し、情報源を更新する
未回答、確度が低い、古い、または見解が分かれる質問は適切な担当者へ引き継ぎます。回答だけをその場しのぎで直すのではなく、元の情報源を更新します。
品質とセキュリティの確認
| チェック項目 | 受入判定の問い | 保持する記録 |
|---|---|---|
| 検索 | 代表的な質問に対して、正しい文書と該当箇所が検索結果に含まれていますか。 | 質問、検索した箇所、順位、レビュー担当者の判断、検索から漏れた情報源。 |
| 回答の根拠 | 重要な記述のすべてが引用箇所で裏付けられ、根拠のない内容が追加されていませんか。 | 回答、引用、根拠のない記述、修正内容、レビュー担当者の判断。 |
| アクセス権 | ユーザーは、もともと閲覧を許可されている文書だけを検索できますか。 | ユーザーID、アクセスグループ、情報源の権限、拒否された要求、権限変更。 |
| 情報の鮮度 | 更新・削除・差し替え・期限切れが、合意した時間内に回答へ反映されますか。 | 情報源のバージョン、インデックス日時、回答バージョン、古い情報による誤回答、対応結果。 |
試験導入の評価方法
チーム、情報源、アクセス権レベル、難易度ごとに代表的な質問セットを用意します。通常の質問に加え、曖昧な表現、古い文書、内容が矛盾する規程、閲覧制限付きファイル、承認済みの回答が存在しない質問も含めます。
| 指標 | 確認できること |
|---|---|
| 検索の成功 | 正しい承認済みの箇所がレビュー対象の検索結果に含まれているか。 |
| 根拠付き回答の採用率 | レビュー担当者が、大幅な修正なしに回答と引用を採用できるか。 |
| アクセス制御の正確性 | 権限のないユーザーの検索結果から、制限付きコンテンツが常に除外されているか。 |
| 未回答時の処理品質 | エージェントが安全に回答を控え、知識の不足を適切な情報源の担当者へ引き継げるか。 |
展開条件: 検索品質、引用による裏付け、アクセス制御、情報の鮮度、回答を控える判断、担当者の対応が、各知識領域で合意した基準を満たした場合にだけ展開範囲を広げます。
よくある質問
ナレッジベースエージェントと文書チャットボットの違いは何ですか。
文書チャットボットは、小規模で更新頻度の低いファイル群を対象にするときに役立ちます。企業向けナレッジベースエージェントでは、それに加えて、情報源の継続的な更新、アクセス権を考慮した検索、引用、監査記録、情報源の担当者への引き継ぎ、回答後に実行する処理の管理が必要です。
RAGワークフローで根拠のない回答を完全になくせますか。
いいえ。検索によって根拠のない回答を減らすことはできますが、索引の不備、誤った権限設定、古い文書、不十分なプロンプト、情報源の矛盾によって誤りは残ります。重要な判断では、引用、確度の基準、回答を控える仕組み、人による確認を組み合わせてください。
機密性の高い社内知識はどのように導入すべきですか。
データ分類、データ所在地、ID管理、ネットワーク、保持期間、ベンダーによるアクセス要件に基づいて導入方式を選びます。機密情報源を接続する前に、文書、インデックス、検索した箇所、プロンプト、ログ、バックアップの保存先を確認してください。
